新NISAでオルカンとS&P500両方買うのはアリ?最適な比率と「迷い」を消す投資戦略

新NISAでオルカンとS&P500両方 NISAや投資について

新NISAを始めるにあたり、「全世界株式(オルカン)」と「米国株式(S&P500)」のどちらを選ぶべきか悩んでいませんか?「S&P500のリターンは魅力的だが、米国一本に絞るのは怖い」「オルカンが無難だが、利益を取り逃がしたくない」という悩みは、多くの投資家が抱えるものです。

ネット上には「両方買うのは意味がない」という意見もありますが、実は投資家の性格や目的によっては、両方持ちが「正解」になることもあります。

本記事では、両方買う場合のメリット・デメリットから、具体的な保有比率のシミュレーション、新NISAの枠を活かした賢い買い方までを徹底解説します。

■本記事のポイント

  1. 「両方買い」は重複こそあるが、投資の迷いを消し継続力を高める有効な戦略
  2. 1対1の保有で「米国株比率80%」となり、オルカンの守りとS&P500の攻めを両立
  3. 新NISAの「つみたて枠」でオルカン、「成長枠」でS&P500を買う二刀流がおすすめ
  4. 最大のリスクは「選べずに始めない」こと。両方買って市場に参加するのが正解

新NISAでオルカンとS&P500を両方買う前に知るべき「重複」と「結論」

新NISAでオルカンとS&P500を両方買う前に知るべき「重複」と「結論」

「両方買いたい」と考えるなら、まずはその選択が投資理論的にどう位置づけられるのか、そして実際に何が起きるのかを正しく知る必要があります。

多くの投資初心者が気にする「投資対象の重複」に関する事実関係と、それを踏まえた上での「両方持ちの是非」について、以下の流れで詳しく解説します。

  1. 結論は「アリ」だが目的意識がないと無意味になる
  2. 構成銘柄の約6割が重複している事実を理解する
  3. オルカンとS&P500どっちがいい?基本的な特徴比較
  4. オルカンとS&P500を両方買うデメリットは?

結論は「アリ」だが目的意識がないと無意味になる

結論は「アリ」だが目的意識がないと無意味になる

オルカンとS&P500を両方買うことは決して間違いではありませんが、何も考えずに購入すると、単なる「管理コストの増加」や「自己満足」に終わるリスクがあります。

投資の世界では、分散投資が推奨されますが、この2つの商品は値動きが非常に似ているため、教科書的な意味での分散効果は薄いからです。

しかし、投資家本人が「米国株の比率を今の60%から80%に高めたい」といった具体的な数値目標を持っている場合や、「片方に絞ることで生じる精神的な迷いを消したい」という明確な意図を持つ場合には、非常に合理的な選択となります。

重要なのは、SNSやインフルエンサーの意見に流されるのではなく、自分が納得して20年以上の長期投資を継続できる環境を作ることです。

目的が曖昧なままなんとなく両方を購入すると、数年後に株価が変動した際、「なぜ似たような商品を2つも持っているのか」と迷いが生じ、不用意に売却してしまう原因になります。

まずは「なぜ自分は両方持ちたいのか」を言語化することから始めましょう。

構成銘柄の約6割が重複している事実を理解する

構成銘柄の約6割が重複している事実を理解する

オルカン(全世界株式)を購入している時点で、実はそのポートフォリオ(資産構成)の約60%以上は米国株で占められています。

(2026年1月時点)
オルカンは「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」という指数に連動するように設計されていますが、この指数は各国の株式市場の規模(時価総額)に応じて投資比率が決まる仕組みです。

現在、世界経済において米国企業の規模が圧倒的であるため、自然と米国株の比率が高くなるのです。

さらに組入銘柄の上位を見ると、Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon、Meta(Facebook)、Alphabet(Google)といった、いわゆる「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる米国巨大IT企業が並びます。

これは、S&P500の上位構成銘柄とほぼ同じ顔ぶれです。

つまり、「世界に分散投資をしている」つもりでも、実態としては資金の半分以上を米国の同じ企業群に投資していることになります。

異なる商品名であっても、経済的な実質は大部分が被っている(重複している)という事実を、まずは正しく認識しましょう。

この重複を理解した上で、それでも米国比率を調整したい場合にのみ、両方持ちが有効になります。

オルカンとS&P500どっちがいい?基本的な特徴比較

オルカンとS&P500どっちがいい?基本的な特徴比較

両者の違いをより深く理解するために、それぞれの特徴を以下の表で比較し、詳細を解説します。

項目 オルカン(全世界株式) S&P500(米国株式)
投資対象 日本・米国を含む先進国23カ国・新興国24カ国 米国の主要大型企業500社
米国株比率 約60%(市場環境により変動) 100%
主な銘柄 Apple, Microsoft, NVIDIA, TSMC, トヨタなど Apple, Microsoft, NVIDIA, Amazonなど
リターン 世界経済全体の平均的な成長を享受 米国経済の強い成長力に集中
リスク カントリーリスクを分散しマイルドな動き 米国一国集中リスクがあり変動が大きい
おすすめ 守り重視・将来の予測をしたくない人 攻め重視・米国の覇権継続を信じる人

S&P500は「米国一強」に賭ける攻めの投資です。

米国は法整備、人口動態、イノベーション(技術革新)の土壌において他国を圧倒しており、株主還元への意識も非常に高い国です。

そのため、過去の実績では圧倒的なリターンを叩き出してきましたが、もし米国経済が停滞すれば、資産全体がダイレクトに打撃を受けます。

一方、オルカンは「世界経済の平均点」を取る守りの投資です。

もし将来、インドや中国、あるいはその他の国が台頭して米国の地位を脅かしたとしても、オルカンなら自動的にリバランス(比率調整)が行われ、その時々の勝馬に乗ることができます。

「どの国が勝つか予測したくない」「メンテナンスフリーで運用したい」という人にはオルカンが適しています。

オルカンとS&P500を両方買うデメリットは?

オルカンとS&P500を両方買うデメリットは

両方買うことの最大のデメリットは「資金効率の低下」と「管理の煩雑さ」です。

まず資金効率についてですが、両者は値動きの相関係数が非常に高く(0.9以上と言われることもあります)、片方が上がればもう片方も上がり、下がるときは一緒に下がる傾向にあります。

そのため、異なる動きをする資産(例えば債券や金など)を組み合わせたときのような、劇的なリスク低減効果は期待できません。

次に管理の煩雑さです。

新NISAの口座画面で2つの商品が並んでいると、それぞれの損益が気になり、「こっちは儲かっているのに、こっちはイマイチだ」と比較してしまう心理が働きます。

また、将来的に資産を取り崩して現金化する際、「どちらから売却すべきか」「利益が出ている方を売るか、バランスを戻すように売るか」といった判断を迫られることになります。

シンプルな管理を好み、投資に使う時間を極力減らしたいと考える場合、どちらか一本に絞って自動積立にするほうが、精神的なストレスは少なくなります。

「重複による無駄」と「管理の手間」を許容してでも得たいメリットがあるか、自問自答してみましょう。

新NISAでオルカンとS&P500を両方買うリスクと米国株比率はどう変わる?

新NISAでオルカンとS&P500を両方買うリスクと米国株比率はどう変わる?

「両方買う」という選択を、感覚ではなく数値で検証してみましょう。

過去のデータに基づくリターン比較と、実際に組み合わせた場合の「米国株比率」の変化を具体的にシミュレーションし、あなたに最適な配分を探ります。

以下の4つの視点で、数字に基づいた分析を行います。

  1. 過去の成績ではS&P500が圧倒的に有利な理由
  2. 新NISAでオルカン一本のみ運用した場合のリスク低減効果
  3. 1対1で保有した場合の実質的な米国株比率は約80%
  4. 好みの比率に調整するための新NISAでオルカンシのミュレーション

過去の成績ではS&P500が圧倒的に有利な理由

過去の成績ではS&P500が圧倒的に有利な理由

過去10年から30年の長期データを振り返ると、S&P500のリターンはオルカン(全世界株式)を大きく上回っています。

例えば、直近10年の年平均リターンを見ると、S&P500は10%から12%程度を記録することも珍しくありませんが、オルカンは8%から9%程度に留まるケースが多いです。

この差を生んだ最大の要因は、GAFAM(Google, Apple, Facebook, Amazon, Microsoft)をはじめとする米国ハイテク企業の爆発的な成長です。

インターネット革命以降、プラットフォームビジネスを世界展開した米国企業が利益を独占し、それが株価に反映されました。

また、米国市場には「株価を上げることが経営者の使命である」という徹底した株主資本主義が根付いています。

自社株買いや増配(配当金を増やすこと)を積極的に行う企業文化も、株価上昇の強力なエンジンとなってきました。

「とにかく資産を最大化したい」「過去の実績(トラックレコード)を重視する」という投資家にとって、S&P500の輝かしい成績は非常に魅力的であり、過去データ上はこちらに軍配が上がります。

新NISAでオルカン一本のみ運用した場合のリスク低減効果

新NISAでオルカン一本のみ運用した場合のリスク低減効果

一方で、オルカン一本で運用するメリットは、特定の国に依存しない「カントリーリスク」の完全な排除にあります。

過去を振り返れば、1970年代や2000年代初頭(ITバブル崩壊後)のように、米国株が低迷し、日本株や新興国株がアウトパフォーム(市場平均を上回る成績)した時期も確かに存在します。

「米国一強」はここ10から15年のトレンドに過ぎず、今後20年、30年先も同じ状況が続く保証はどこにもありません。

もし将来、米国の政治的混乱やドルの信認低下、あるいは新たな経済大国の出現によって「米国株の時代」が終わったとしても、オルカンを持っていれば安心です。

オルカンは、時価総額の変動に合わせて自動的に国別の投資比率を調整してくれるため、投資家自身がニュースを見て国を選ぶ必要がありません。

この「予測を外すリスク」をゼロにし、資産全体が全滅するシナリオを回避できる点が、オルカン最大の魅力であり、長期投資における保険となります。

1対1で保有した場合の実質的な米国株比率は約80%

1対1で保有した場合の実質的な米国株比率は約80%

では、実際に両方を買うとどうなるのでしょうか。

具体的な数字で計算してみます。

例えば、毎月5万円の投資資金があり、それをオルカン2.5万円、S&P500に2.5万円ずつ(1:1の割合)投資するとします。

●オルカン分(2.5万円): そのうち約60%が米国株なので、1.5万円分が米国への投資
●S&P500分(2.5万円): 100%が米国株なので、2.5万円分が米国への投資

合計すると、5万円のうち4.0万円が米国株に投じられることになります。

これを比率になおすと、ポートフォリオ全体の米国株比率は 80% になります。

残りの20%で、欧州や日本、新興国などの成長を取り込む形です。

この「米国80%・その他20%」という比率は、S&P500単体の「米国100%」ほど尖っておらず、かといってオルカン単体の「米国60%」ほど保守的でもない、絶妙なバランスと言えます。

米国株の成長力をメインエンジンにしつつ、万が一の米国没落にも最低限の保険をかけておきたい人にとって、非常に心地よい配分となり得ます。

好みの比率に調整するための新NISAでオルカンシのミュレーション

好みの比率に調整するための新NISAでオルカンシのミュレーション

あなたのリスク許容度や米国経済への信頼度に合わせて、比率は自由自在にカスタマイズ可能です。

以下に、代表的な組み合わせパターンと、そのときの実質的な米国株比率の目安(オルカン内の米国株比率を60%と仮定)をまとめました。

1 マイルドに米国を強めたい派(オルカン 7 : S&P500 3)
計算:(0.6 × 0.7) + (1.0 × 0.3) = 0.42 + 0.30 = 0.72
実質米国株比率:約72%
特徴:基本はオルカンで守りつつ、少しだけリターンを上乗せしたい人向け。

2 バランス重視のハーフ&ハーフ(オルカン 5 : S&P500 5)
実質米国株比率:約80%
特徴:先ほど解説した通り、攻めと守りを半々で取り入れたい人向け。

3 かなり攻めたいが保険も欲しい派(オルカン 3 : S&P500 7)
計算:(0.6 × 0.3) + (1.0 × 0.7) = 0.18 + 0.70 = 0.88
実質米国株比率:約88%
特徴:ほぼS&P500と同じ動きを狙うが、残り12%で世界分散の安心感を確保。

このように、両方を組み合わせることで、0か100かではなく、自分にとって最も納得感のある「米国への依存度」をコントロールできるのが、併せ持ちの機能的なメリットです。

新NISAでオルカンとS&P500を両方買う?「迷いを消す」のが最強の戦略

新NISAでオルカンとS&P500を両方買う?「迷いを消す」のが最強の戦略

投資において最も恐ろしい敵は、市場の暴落ではなく、投資家自身の「迷い」と、それに伴う「機会損失」です。

ここでは、メンタル面での両方持ちのメリットと、新NISAの2つの枠(つみたて投資枠・成長投資枠)を戦略的に使い分ける具体的な方法について、以下の順で提案します。

  1. 機会損失の恐怖を消すための精神安定剤としての価値
  2. 迷って投資を始めない時間が最大のリスクになる
  3. つみたて投資枠でオルカンをコア資産にする戦略
  4. 成長投資枠でS&P500をサテライト的に活用する方法

機会損失の恐怖を消すための精神安定剤としての価値

機会損失の恐怖を消すための精神安定剤としての価値

投資をしていると、必ず「FOMO(Fear Of Missing Out:取り残される恐怖)」に襲われる瞬間があります。

「S&P500だけを買っていたら、米国株が暴落したときに『オルカンにしておけばよかった』と後悔するのではないか」

「オルカンだけを買っていたら、米国株が爆上がりしたときに『S&P500を買っておけばもっと儲かったのに』と悔しい思いをするのではないか」

こうした「たられば」の感情は、正常な判断力を奪い、暴落時の狼狽売り(パニック売り)や、高値掴みの原因になります。

両方持っていれば、この心理状態をうまくコントロールできます。

米国株が伸びれば「S&P500を持っていてよかった」と思えますし、他国が伸びて米国が停滞しても「オルカンがカバーしてくれているから大丈夫」と思えます。

つまり、「どっちに転んでも自分の資産は恩恵を受けられる」という状態を作ることができるのです。

この「精神的な安定」こそが、20年という長い期間、市場から退場せずに投資を続けるための強力な武器になります。

心の平穏を買うための必要経費と考えれば、多少の重複や管理の手間は、決して無駄ではありません。

迷って投資を始めない時間が最大のリスクになる

迷って投資を始めない時間が最大のリスクになる

投資初心者にとって最も避けるべき事態は、「どっちがいいか決められないから、まだ買わない」といって新NISAのスタートを遅らせてしまうことです。

投資の利益は、「元本 × 利回り × 期間」で決まりますが、この中で投資家が確実にコントロールできるのは「期間」だけです。

期間が短くなればなるほど、複利効果(利子が利子を生んで雪だるま式に増える効果)は薄れてしまいます。

例えば、年利5%で運用する場合、スタートが1年遅れるだけで、20年後の最終資産額には数十万円から数百万円の差が出ることさえあります。

悩み続けて現金を銀行口座に寝かせておくことは、インフレ(物価上昇)によって現金の価値が目減りするリスクを無防備に受け入れているのと同じです。

まずは少額からでも良いので、両方買って市場に参加しましょう。

投資比率は後からいくらでも変更可能です。

走りながら考え、微調整していくほうが、結果的に資産形成の成功確率は格段に高まります。

つみたて投資枠でオルカンをコア資産にする戦略

つみたて投資枠でオルカンをコア資産にする戦略

ここからは、新NISAの制度設計を活かした具体的な設定案を紹介します。

新NISAには「つみたて投資枠(年間120万円)」と「成長投資枠(年間240万円)」の2つがありますが、これらを役割分担させるのが賢い方法です。

まず、長期・積立・分散に適した「つみたて投資枠」では、オルカンを選択し、資産運用の強固な土台(コア資産)を作ることをおすすめします。

つみたて投資枠は、一度設定したら基本的には20年間、何があっても触らずに放置する枠です。

20年後の世界情勢を正確に予測することは誰にもできません。

だからこそ、予測不要で自動的に最適化してくれるオルカンを選び、最低限の「世界平均のリターン」を確保する守りの部分を担わせるのです。

ここをしっかりと埋めておけば、老後資金のベース部分は確保できたという安心感が生まれます。

成長投資枠でS&P500をサテライト的に活用する方法

成長投資枠でS&P500をサテライト的に活用する方法

一方、より自由度の高い「成長投資枠」を使って、S&P500を購入し、リターンの上乗せ(サテライト資産)を狙います。

成長投資枠は、スポット購入(一括購入)ができたり、売却しても翌年に非課税枠(簿価ベース)が復活するため再利用がしやすいという特徴があります。

この枠でS&P500を運用すれば、もし米国経済への見通しが悪くなったり、自分の考えが変わったりした場合に、比較的柔軟に売却や商品の入れ替えを検討できます。

「つみたて枠(オルカン)= 絶対に売らない守りの資産」「成長枠(S&P500)= 積極的に利益を狙う攻めの資産」と役割を明確に分けることで、ポートフォリオ全体の管理がスッキリし、投資戦略に一貫性が生まれます。

もちろん、資金に余裕があれば成長投資枠でもオルカンを買うことは可能ですが、攻めと守りを分けたい人にはこの「二刀流」が合理的です。(出典:金融庁『新しいNISA』

新NISAでオルカンとS&P500を両方買う?購入後のメンテナンス方法

新NISAでオルカンとS&P500を両方買う?購入後のメンテナンス方法

新NISAの設定をして購入を始めたら、それで終わりではありません。

運用を続けていく中で、株価変動によって比率が崩れたり、最終的に現金化する時期が来たりします。

運用後のメンテナンス方法や、どうしても両方持ちがしっくりこない場合の代替案まで、将来起こりうるシナリオを以下の4点で網羅します。

  1. リバランスは必要?比率が崩れたときの対応策
  2. 将来取り崩すときは「どっちから売る」のが正解?
  3. 新NISAでオルカンやS&P500以外なら「除く米国」も検討
  4. さらなるリターンを狙うNASDAQ100という選択

リバランスは必要?比率が崩れたときの対応策

リバランスは必要?比率が崩れたときの対応策

運用を続けていると、S&P500が大きく上昇して米国株比率が高くなりすぎたり、逆に下落して比率が下がったりすることがあります。

当初決めたリスク許容度(例:米国株80%)を保つために、比率を元に戻す作業を「リバランス」と呼びます。

通常のリバランスでは「増えすぎた方を売って、減った方を買い増す」を行いますが、新NISAでは売却してしまうと、その分の非課税枠が復活するのは「翌年」になります。

そのため、頻繁な売却は非課税枠の無駄遣いになりかねません。

新NISAにおけるおすすめのリバランス方法は、「比率が下がった方を、新規資金で買い増す(ノーセルリバランス)」ことです。

毎月の積立額を一時的に調整したり、ボーナス時の追加投資を比率が低い方へ重点的に配分したりして、売却せずにバランスを整えましょう。

厳密に数%のズレまで修正する必要はありません。

年に1回程度確認し、大きくズレていなければそのままでOKです。

将来取り崩すときは「どっちから売る」のが正解?

将来取り崩すときは「どっちから売る」のが正解

資産形成のゴール(出口戦略)で、生活費や遊興費のために現金化する際、どちらから売るべきか迷うはずです。

正解は一つではありませんが、主に2つのアプローチがあります。

1 リターンが高い方から売る(利益確定重視)
その時点で大きく値上がりしている資産を売却し、利益を確定させる方法です。

ポートフォリオのバランスを元に戻す効果もあります。

2 ボラティリティが高い方から売る(安定重視)
老後は資産を減らさない「守り」が重要になります。

値動きの激しいS&P500を先に売却して現金化し、相対的に値動きがマイルドで分散が効いているオルカンを最後まで残す方法です。

これにより、資産寿命(資産が尽きるまでの期間)を延ばす効果が期待できます。

どちらを選ぶかは、その時の年齢や市場環境によりますが、一般的には高齢になるほど「守り」を重視し、オルカンを残す戦略が合理的とされています。

新NISAでオルカンやS&P500以外なら「除く米国」も検討

新NISAでオルカンやS&P500以外なら「除く米国」も検討

もしここまで読んで、「両方買う意義はわかるが、やはり中身が重複しているのが気持ち悪い」「米国比率を自分で完璧にコントロールしたい」と感じるなら、別の選択肢もあります。

それは、「S&P500」と「全世界株式(除く米国)」という商品を組み合わせる方法です。

「除く米国」はその名の通り、全世界から米国株だけをきれいに取り除いた投資信託です。

これなら、S&P500(米国100%)と除く米国(米国0%)の組み合わせになるため、投資対象の重複が一切なくなります。

例えば半々で買えば、きっちり「米国50%・それ以外50%」のポートフォリオが完成します。

比率計算が非常にシンプルになり、自分がどこの国にどれだけ投資しているかが明確になります。

ただし、「除く米国」の商品はオルカンやS&P500に比べて信託報酬(手数料)が若干高めであったり、純資産総額が小さい場合があるため、商品選びには注意が必要です。

さらなるリターンを狙うNASDAQ100という選択

さらなるリターンを狙うNASDAQ100という選択

逆に、「オルカンで守りを固めるのはいいが、S&P500程度では攻め足りない」「もっとリスクをとって大きなリターンを追求したい」という人もいるでしょう。

その場合は、サテライト枠としてS&P500の代わりに「NASDAQ100」を検討するのも一手です。

NASDAQ100は、米国のナスダック市場に上場する金融銘柄を除く上位100社で構成される指数で、S&P500よりもさらにIT・ハイテク企業への集中度が高まります。

オルカンで世界全体の平均点(守り)を確保しつつ、サテライト枠(全体の10から20%程度)でNASDAQ100を持つことで、S&P500単体以上の爆発的なリターンを狙う「コア・サテライト戦略」が完成します。

当然、NASDAQ100は値動きが非常に激しく、暴落時の下落幅も大きくなりますが、若年層などリスク許容度が高い投資家にとっては、資産増大のスピードを早める強力なエンジンになり得ます。

【まとめ】新NISAでオルカンとS&P500両方について

最後に本記事で重要なポイントをまとめます。

新NISAでオルカンとS&P500の「両方買い」は、目的があれば立派な戦略になる
ただし、オルカンの中身の約60%はすでに米国株であることを理解しておく必要がある
構成銘柄の上位(AppleやMicrosoftなど)はほぼ重複しており、値動きの連動性は高い
過去のリターン実績はS&P500が勝るが、一本足打法には米国集中リスクがある
オルカンは「世界経済の平均点」を狙う守りの投資であり、カントリーリスクを排除できる
両方買うデメリットは資金効率の低下と管理の手間だが、精神的安定というメリットは大きい
資金を1:1で配分すると、ポートフォリオ全体の「実質的な米国株比率」は約80%になる
「オルカン7:S&P500 3」や「3:7」など、自分好みのリスク許容度に調整が可能
両方持つことで「こっちを買っておけばよかった」という機会損失への恐怖(FOMO)を消せる
最大のリスクは「迷って投資を始めない期間」を作ること。両方買って走り出すのが正解
「つみたて投資枠」はオルカンで守りを固め、20年放置するコア資産にするのがおすすめ
「成長投資枠」はS&P500で攻め、リターン上乗せを狙うサテライト資産として活用する
比率が崩れたら売却せず、少ない方を買い増す「ノーセルリバランス」で非課税枠を守る
取り崩し期には、変動の大きいS&P500から売り、安定したオルカンを最後まで残す戦略も有効
最終的な正解は理論値ではなく、自分が「夜ぐっすり眠れる配分」で長く続けることである