FANG+の基準価額が連日のように下落し、証券口座を開くたびに含み損が拡大している状況を見て、「このまま資産が半分になってしまうのではないか」「自分の投資判断は間違っていたのではないか」と、夜も眠れないほどの大きな不安を感じていませんか。
特に新NISAで投資を始めたばかりの方にとって、最初の下落局面は精神的な試練以外の何物でもありません。
しかし、ここで恐怖に負けて売却してしまうことこそが、最も避けるべき失敗パターンです。
本記事では、現在起きている下落の構造的な理由を専門的な視点で紐解き、過去データに基づく回復期間の具体的な目安、そして今とるべき対策を徹底解説します。
単なる精神論ではなく、論理的な根拠に基づいた判断材料を提供することで、あなたの不安を「納得」と「自信」に変えるお手伝いをします。
記事を読み終える頃には、市場のノイズに惑わされず、どっしりと構えて投資を継続するための明確な指針が得られるでしょう。
■本記事のポイント
- 現在の下落は企業の成長力が失われたわけではなく、米国の金利政策やセクターローテーションといった「市場環境の調整」が主因である
- 過去のデータに基づくと、暴落から最高値を更新するまでには「半年から1年半」かかるケースもあるため、長期的な視点での忍耐が必要
- 「やめとけ」という声は10銘柄集中による激しい値動きやレバレッジ型商品との混同が原因であり、現物型であれば過度な恐怖を感じる必要はない
- 下落時の狼狽売りや安易な損切りは避け、ポートフォリオの10から20%程度に留める「コアサテライト戦略」や積立投資の継続が有効な対策
FANG+(ファングプラス)が下落している3つの理由【最新版】

基準価額が下がると、どうしても「FANG+という商品自体がダメになったのではないか」と疑心暗鬼になりがちです。
しかし、市場で何が起きているかを知るだけで、漠然とした恐怖は驚くほど軽減されます。
現在の下落は、FANG+の構成企業の競争力が失われたからではなく、世界経済のマクロ的な要因や市場環境の変化が複雑に絡み合った結果です。
まずは敵を知るように、下落を引き起こしている主な要因を以下の3つの視点から詳細に解説します。
- 米国の金利政策やテック企業の決算ミス
- セクターローテーションによる資金移動
- 円高ドル安による為替差損の影響
FANG+下落の理由を考える!米国の金利政策やテック企業の決算ミスなど

米国市場における金利政策の変更は、ハイテク株の価格決定において最も強力な重力として作用します。
FRB(連邦準備制度理事会)がインフレ抑制のために高い政策金利を維持したり、市場が期待していた利下げの開始時期が後ろ倒しになったりすると、ハイテク株には強い逆風となります。
これは「割引率」という考え方が関係しており、金利が上昇すると、将来稼ぎ出す利益の現在の価値が低く見積もられてしまうためです。
特にFANG+に含まれるような高成長企業(グロース株)は、将来の大きな利益を期待して現在の株価が高く買われているため、金利上昇によるバリュエーション調整(株価の割高感の修正)を真っ先に受けやすい性質があります。
加えて、FANG+を構成する主要企業の四半期決算も、株価変動の直接的なトリガーとなります。
NVIDIAやTesla、Appleといった巨大テック企業は、世界中からの注目を集めており、市場の期待値(コンセンサス予想)が極めて高く設定されています。
たとえ素晴らしい黒字決算であっても、売上高の伸び率が鈍化していたり、次の四半期の見通し(ガイダンス)が弱かったりするだけで、「成長の限界」と捉えられ、失望売りが殺到することがあります。
FANG+はわずか10銘柄で構成されているため、たった1社の株価が10%下落するだけで、指数全体を1%押し下げる計算になり、分散の効いたS&P500などに比べて決算リスクの影響をダイレクトに受けてしまうのです。
セクターローテーションによるハイテク株からの資金移動

市場全体の下落要因として見逃せないのが、「セクターローテーション」と呼ばれる機関投資家による巨額の資金移動です。
株式市場には、景気サイクルや金利動向に合わせて、投資の主役となる業界(セクター)が循環するという法則があります。
例えば、AIブームによってハイテク株が急激に上昇し、割高感が意識されるようになると、投資家は利益を確定させるためにハイテク株を売り始めます。
そして、その売却資金は、相対的に割安で配当利回りの高いヘルスケア、公益、生活必需品といった「バリュー株」や「ディフェンシブ株」へと移動していきます。
この資金移動は、決してFANG+構成企業の業績が悪化したから起きるわけではありません。
プロの投資家たちがポートフォリオのリスクバランスを整え、次の相場展開に備えるための「ポジション調整」の一環として行われます。
ハイテク株から資金が抜けていく局面では、どんなに素晴らしい技術を持つ企業であっても、需給の悪化によって株価は下がります。
しかし、これは市場の健全な新陳代謝機能であり、永遠に続きません。
「今は資金が別の場所に旅行に行っているだけで、また必ず戻ってくる」と捉えれば、過度な悲観を避けて冷静な判断ができるようになります。
円高ドル安の進行による基準価額への為替影響

iFreeNEXT FANG+インデックスのような米国株投資信託の基準価額は、現地の株価だけでなく、ドル円の為替レートの影響を強く受けます。
私たち日本人が円で投資している以上、この為替リスクは避けて通れません。
仮に米国の株価が変わらなくても、1ドル150円から140円へと円高が進むだけで、円換算した資産価値は約6.7%も目減りしてしまいます。
特に、米国経済の減速懸念(リセッション懸念)が高まると、安全資産とされる円が買われたり、米国の金利低下によってドルが売られたりするため、株安と同時に円高が進行しやすくなります。
これを「往復ビンタ」や「ダブルパンチ」と呼びますが、多くの日本人投資家がFANG+を購入した時期は、歴史的な円安水準だった可能性が高いでしょう。
そのため、為替が正常な水準へ戻ろうとする過程で、どうしても為替差損が発生し、株価の下落以上に基準価額が下がって見えることがあります。
しかし、円高は悪いことばかりではありません。
これから積立投資を続ける分については、同じ金額でより多くのドル資産を購入できるチャンスでもあります。
為替は長期的には日米の国力や金利差を反映して動くものであり、短期間の変動に一喜一憂するよりも、トータルの資産推移を見守る姿勢が求められます。
FANG+の最大下落率と回復期間を過去の暴落データから見る

下落がどこまで続くか分からない「底が見えない恐怖」こそが、投資家のメンタルを最も削り、狼狽売りを誘発します。
しかし、過去のデータを紐解けば、FANG+がどのような値動きを経て回復してきたか、ある程度の法則性が見えてきます。
歴史は繰り返すと言いますが、過去の暴落パターンを知ることは、未来への不安を払拭する最強の武器になります。
ここでは、過去の暴落事例とその後の回復プロセスを具体的な数字で確認し、最悪のシナリオと希望のシナリオの両方をシミュレーションします。
- 2022年のハイテク株暴落やコロナショック時のデータ
- 暴落から最高値更新までの回復期間
- テクニカルとファンダメンタルズから見る今後の見通し
2022年のハイテク株暴落やコロナショック時の下落データ

FANG+指数は、その爆発的なリターン(過去10年でS&P500を大きく凌駕する実績)の代償として、何度も心臓が止まるような強烈な下落局面を経験しています。
例えば、2020年3月のコロナショック時には、パンデミックへの恐怖から市場が大混乱し、わずか1ヶ月程度で30%近くも急落しました。
さらに、投資家にとって記憶に新しく、かつ精神的に過酷だったのが2022年の米国利上げ局面です。
インフレ退治のための急激な利上げにより、ハイテク株は売り込まれ、FANG+指数は年初来の高値から最大で40%を超える下落幅を記録しました。(2026年2月時点)
これは、もし1000万円を投資していた場合、一時的に資産評価額が600万円以下まで溶けてしまったことを意味します。
現在あなたが直面している下落幅がもし20%程度であれば、過去の基準から見れば「暴落」というよりは「健全な調整」の範囲内と言えるかもしれません。
FANG+に投資するということは、こうしたジェットコースターのような値動きを受け入れる覚悟を決めることと同義です。
「過去には資産が半分近くになるような下げがあったが、それでも市場から退場しなかった人は報われた」という事実は、保有を継続するための強力な心の支えとなります。
暴落から最高値更新まで何ヶ月?回復期間のシミュレーション

投資家が最も知りたいのは「どのくらい我慢すれば、含み損が消えてプラスに戻るのか」という回復までの期間でしょう。
過去のチャートを詳細に分析すると、暴落の深さや経済状況にもよりますが、高値を更新してプラ転するまでには、半年から1年半程度の時間を要するケースが多く見られます。
金融緩和によってV字回復をしたコロナショックのような例もあれば、2022年のようにじわじわと下げ続け、底を打ってから本格的な上昇トレンドに戻るまで1年以上かかった例もあります。
このデータから分かる重要な教訓は、数週間や数ヶ月といった短期スパンで結果を求めると、精神的に追い詰められやすいということです。
「回復には最低でも1年はかかるかもしれない」とあらかじめ腹を括っておけば、日々の小さな値動きに心を乱されずに済みます。
また、この「低迷期間」は決して無駄な時間ではありません。
積立投資を行っている場合、株価が低迷し回復期間が長引くほど、安い価格で多くの口数を購入できる「仕込み時」が続くことになります。
これを「ドルコスト平均法のボーナスタイム」と捉えることができれば、長い冬の時代も将来の爆益を夢見て乗り越えることができるでしょう。
FANG+の見通しをテクニカルとファンダメンタルズから見る

今後の見通しを立てる上では、チャートの形(テクニカル)と企業の基礎体力(ファンダメンタルズ)の両面を確認し、冷静に状況を判断する必要があります。
ファンダメンタルズの視点では、AI市場の拡大ペースやクラウド需要の増加、デジタル広告の収益性など、ビッグテック企業が主戦場とする領域の成長ストーリーに崩れがないかを確認します。
主要企業の収益構造が堅牢であり、圧倒的な市場シェアと潤沢なキャッシュフロー(現金)を維持しているならば、株価はいずれ業績に収斂して戻ってくる可能性が高いでしょう。
一方、テクニカル分析の視点では、過去に反発した価格帯(支持線)や、200日移動平均線との乖離率などが参考になります。
下落スピードが速すぎる場合は、「売られすぎ」のシグナルが点灯し、自律反発と呼ばれる一時的な上昇が起こりやすくなります。
ただし、重要な支持線を割り込んでしまった場合は、もう一段の調整(二番底を探る展開)が入る可能性も考慮しなければなりません。
重要なのは、目先の株価予測に賭けるのではなく、「人類のテクノロジー進化は止まらない」という大局観を持ち続けることです。
企業の稼ぐ力が健在である限り、長期的には右肩上がりが期待できるという原則を忘れないようにしましょう。
(出典:大和アセットマネジメント『iFreeNEXT FANG+インデックス 月次レポート』)
FANG+の下落と構造的なデメリットと注意点

SNSや投資掲示板、YouTubeのコメント欄などでは、「FANG+はやめとけ」「危険すぎるから手を出さない方がいい」といったネガティブな意見を目にすることがあります。
こうした声を見聞きすると不安になりますが、なぜそのような批判が出るのか、その背景にある論理や発信者の意図を理解しておくことが重要です。
FANG+は確かに万人向けの商品ではなく、明確な特性とリスクが存在します。
ここでは、商品構造に由来するデメリットと、誤解されがちなポイントについて以下の順に深掘り解説します。
- 10銘柄集中投資が生む高いボラティリティ
- 「やめとけ」と言われる主な原因と投資家心理
- レバレッジ型との混同による過剰な恐怖
FANG+とは?10銘柄集中投資が生む高いボラティリティ

FANG+の最大の特徴であり、同時に最大のリスク要因でもあるのが、わずか10銘柄への「等金額投資(均等加重)」という独自の仕組みです。
S&P500が米国の主要500社、オルカン(全世界株式)が約3000社から4000社に分散投資してリスクを薄めているのに対し、FANG+は極端に少ない銘柄数で構成されています。
これにより、1社あたりの構成比率は約10%となり、特定の企業の株価変動がダイレクトに指数全体へ波及します。
例えば、Appleが10%下落すれば、それだけで指数全体が1%引き下げられるインパクトがあります。
分散効果が効きにくいため、好調な時は他を圧倒するリターンを生み出しますが、不調時の下落スピードも凄まじいものになります。
この激しい値動き(ボラティリティ)こそが、初心者や安定志向の投資家にとって「耐え難い」「ギャンブルのようだ」と感じられる要因です。
基準価額が乱高下することは、この商品の仕様上、避けて通れない運命のようなものです。
「分散による安定」をあえて捨てて、「集中による超過リターン」を選んだ結果であることを、改めて認識する必要があります。
リスクとリターンは表裏一体であり、この激流を乗りこなせる者だけが、市場平均を超える利益を手にできるのです。
iFreeNEXT FANG+インデックスはやめとけと言われる主な原因

「やめとけ」という意見の多くは、自分のリスク許容度を超えた投資をしてしまった人々の後悔や、分散投資を絶対の正義とする人々からの警告です。
特に、株価上昇局面でイケイケムードに乗って投資を始めたものの、最初の下落で恐怖に支配されて底値で売却してしまった人の体験談が目立ちます。
彼らにとってFANG+は「大切な資産を減らした危険な商品」として記憶されているため、他人にも推奨しない傾向があります。
また、下落時の含み損の金額が大きくなるため、精神的なストレスが日常生活に支障をきたすケースもあります。
さらに、長期投資の教科書的な鉄則である「国際分散投資」の観点からは、米国の一部のセクターだけに偏ったFANG+は「邪道」と見なされることもあります。
「もしハイテク産業全体がこけたら資産全体が危うくなる」という指摘はもっともであり、ポートフォリオの全てをFANG+に委ねるのは確かにリスクが高い行為です。
しかし、これらは商品自体の欠陥というよりも、使い手の「リスク管理」や「投資目的」とのミスマッチが原因であることがほとんどです。
包丁が料理にも凶器にもなるように、FANG+も使い方次第で最強の資産形成ツールにも、資産を溶かす原因にもなり得ます。
レバレッジ型(レバナス等)と混同していない?下落幅の違いを解説

恐怖が増幅している原因の一つに、「iFreeNEXT FANG+インデックス」と「レバレッジ型商品」を混同している可能性があります。
いわゆる「レバナス(NASDAQ100のレバレッジ2倍)」や「FANG+のレバレッジ商品(2倍ブルなど)」は、下落時に資産が激減するだけでなく、横ばいの相場でも価値が徐々に目減りしていく「減価(コンタンゴ等による影響)」のリスクがあります。
SNSで「資産が3分の1になった」「もう助からない」と悲鳴を上げている投資家の中には、こうしたレバレッジ型商品を保有しているケースが多々あります。
もしあなたが保有しているのがレバレッジのかかっていない「現物型」のFANG+(iFreeNEXT FANG+インデックスなど)であれば、そこまでの壊滅的なリスクはありません。
現物株であれば、構成企業が倒産しない限り価値がゼロになることはなく、株価が戻れば資産価値も素直に回復します。
レバレッジ型特有の複雑な「逓減リスク」におびえる必要はないため、他人の悲観的な投稿を自分に当てはめて焦る必要はありません。
自分が持っている商品の仕組みを正しく理解し、現物投資の強みである「時間」を味方につけることで、不必要な恐怖心を取り除くことができます。
FANG+下落時の具体的対策とメンタルを守るポートフォリオ戦略

下落要因やリスクを理解した上で、今まさに含み損を抱えている私たちはどう行動すべきでしょうか。
画面上のマイナス評価額を見てフリーズしているだけでは状況は変わりません。
感情に任せて売買ボタンを押す前に、冷静になって長期的な視点での戦略を再構築する必要があります。
ここでは、保有継続の判断基準や追加投資の考え方、そして夜ぐっすり眠るための資産配分について解説します。
具体的なアクションプランは以下の通りです。
- 成長性を信じる長期投資家のためのガチホ戦略
- 下落局面における追加投資の判断基準
- 新NISAでの損切り判断と非課税枠の考え方
- リスク許容度別のおすすめ配分比率
- オルカンやS&P500との組み合わせ方
FANG+今後の成長性を信じられるならガチホ一択な理由

もしあなたが10年、15年という長期スパンで資産形成を目指しているなら、今の最適解は「何もせずに保有し続ける(ガチホ)」ことである可能性が極めて高いです。
なぜなら、FANG+を構成するビッグテック企業群(Microsoft, Google, Amazon, Metaなど)は、AI、クラウドコンピューティング、自動運転、メタバースといった次世代テクノロジーの中核を担うプラットフォーマーだからです。
これらの技術革新が今後10年で消えてなくなる可能性よりも、社会インフラとしてさらに深く浸透し、莫大な収益を生み出し続ける可能性の方が高いと考えるのが自然です。
株式市場の歴史において、暴落時にパニック売り(狼狽売り)をした投資家が最も損をし、市場に居座り続けた投資家が大きな利益を得てきました。
「稲妻が輝く瞬間(急騰する局面)に市場に居合わせなければならない」という有名な投資の格言があります。
もっとも大きな株価上昇は、往々にして暴落の直後や、誰もが諦めかけた瞬間に突然やってきます。
下落相場は精神的に辛いものですが、将来やってくる上昇局面の恩恵を受けるための「入場券」を握りしめている状態とも言えます。
企業の成長ストーリーが崩れていない限り、目先の株価変動はノイズと割り切り、静観することが資産を守る最良の盾となります。
下落局面は「買い時」になり得るか?追加投資の判断基準

「暴落は買い場」「ピンチはチャンス」という言葉通り、安くなった基準価額で買い増しを行いたいと考える人もいるでしょう。
確かに、安値で仕込むことができれば将来のリターンは跳ね上がります。
しかし、ここで注意すべきは「落ちてくるナイフをつかむな」という格言です。
どこが底値かを見極めることはプロでも不可能であり、一括で資金を投入する「全力買い」は、底値を見誤ってさらに下落した時の精神的ダメージが計り知れないため推奨されません。
最も安全かつ効果的なのは、今まで通り毎月定額を購入する「積立投資」を淡々と継続することです。
ドルコスト平均法の効果により、価格が低い時には多くの口数を購入できるため、平均取得単価を自然に下げることができます。
もし余剰資金があり、スポット購入(買い増し)を検討する場合でも、資金を数回に分けて投入する「時間分散」を強く意識してください。
例えば、用意した資金を3回から5回に分割し、2週間おきや、さらに株価が5%下がったタイミングで少しずつ投入します。
これにより、「買った直後にさらに暴落した」という後悔を防ぎつつ、安値圏での購入チャンスを活かすことができます。
買い増しは「勇気」ではなく「規律」で行うものです。
新NISAでFANG+を含み損抱えた場合の「損切り」判断基準

新NISA口座(成長投資枠やつみたて投資枠)で保有しているFANG+が含み損になると、「せっかくの非課税枠を無駄にした」「マイナスのまま持ち続けるのは精神的にきつい」と焦りを感じるかもしれません。
しかし、基本的に新NISAでの安易な損切りはおすすめしません。
最大の理由は、NISA口座で売却して損失を確定させても、特定口座のように損益通算(他の利益と相殺して税金を減らすこと)ができないというデメリットがあるためです。
また、一度売却した非課税枠は翌年にならないと復活しないため、長期的な複利効果を手放すことになり、大きな機会損失も発生します。
損切りを検討すべき唯一の正当なケースは、「生活防衛資金が不足し、直近で現金が必要になった場合」や「値動きのストレスで仕事が手につかない、眠れないなど日常生活に支障が出ている場合」です。
もし夜も眠れないほどのストレスを感じているなら、それは明らかに自分のリスク許容度を超えているサインですので、一部を売却して現金比率を高め、精神的な安定を取り戻すことが最優先されます。
ですが、単に「数字がマイナスだから怖い」「損をしたくない」という理由だけであれば、前述の通り回復を待つのが経済合理性の高い判断です。
非課税の恩恵を最大限に活かすためにも、時間を味方につけた長期保有を前提に考えましょう。
FANG+だけでいいは危険?リスク許容度別のおすすめ配分

「FANG+一本で最短で億り人を目指す」というスタイルは非常に魅力的ですが、誰にでも勧められるものではありません。
FANG+のみ(ポートフォリオ比率100%)での運用が許容されるのは、20代から30代前半の独身で、これから人的資本(労働による収入)を入金力に変えていける人や、最悪資産が半減しても生活に全く困らない余剰資金のみで運用している人に限られます。
守るべき家族がいる場合や、数年以内に住宅購入や教育費などのライフイベントを控えている場合は、ボラティリティが高すぎてリスク過多となります。
一般的な会社員がメンタルを保ちながらFANG+を取り入れるなら、ポートフォリオ全体の10%から20%程度に留めるのが賢明です。
例えば、運用資産が1000万円ある場合、100万円から200万円程度をFANG+に振り向け、残りの800万円以上はより安定した資産で運用します。
これなら、仮にFANG+が半値(-50%)になるような大暴落が起きても、資産全体へのダメージは5%から10%程度に抑えられ、致命傷を避けることができます。
「激辛スパイス」として少量加えることで、資産全体の利回りを向上させる使い方が、FANG+の最も賢く、持続可能な活用法と言えるでしょう。
オルカンやS&P500と組み合わせるコアサテライト戦略

最も王道的な攻略法であり、多くの成功している個人投資家が実践しているのが、資産の核となる「コア」部分と、高いリターンを狙う「サテライト」部分を分ける「コアサテライト戦略」です。
コア資産には、全世界株式(オルカン)やS&P500といった、広く分散され、市場平均のリターンを安定して享受できるインデックスファンドを据えます。
これらは守りの要として、世界経済全体の成長を確実に取り込む役割を果たします。
その上で、サテライト資産としてFANG+を組み合わせることで、コア資産だけでは得られない爆発的な成長力を補完し、資産形成のスピードを加速させます。
例えば、「オルカン80%:FANG+20%」といった比率で保有していれば、世界経済の成長による安定感と、ビッグテックの躍進による超過リターンの「いいとこ取り」が可能です。
FANG+が暴落した時はオルカンが資産全体を支え、逆にオルカンが平凡なリターンの時はFANG+が全体を牽引するという相互補完の関係が成立します。
また、FANG+が大きく値上がりして比率が高まったら一部を売却してオルカンを買い増す「リバランス」を行うことで、高値売り・安値買いを自動的に実践できます。
このように役割を明確に分けることで、どのような相場環境でも市場から退場することなく、長く投資を続けることが可能になります。
【まとめ】FANG+の下落について
最後に本記事で重要なポイントをまとめます。

